Don't leave

せっかく美味しいケーキとコーヒーを口にしていても、


半分くらい味が分からない。


大好きなつかささんと話をしていても、


半分くらいしか頭に入らない。




ああもう嫌だ。

こんな悩み抱えてばかりで嫌。
情けないし恥ずかしいし、惨めだしバカだし。




いっそ全部ここで話してしまおうか。



窓の外を流れる車を見ながらそう思う。



だけど、
こんな情けない話をしたくない、呆れられたくない…
変なプライドが邪魔して口が動かない。



それに。


恐ろしい事に、彼は私の為なら何でもすると言い出しかねないくらい、私の事を思ってくれてるのだ。


この話をして呆れないとすれば、


お金なら僕が用意すると平然と言い放つに違いない。



でもそれは私の思い込みかもしれなくて、
彼なら私の思い付かない何か別の方法を知ってやしないか…



そんな事をぐるぐると頭の中で高速回転させながら、



でも結局、



店を出て帰途につき、バイバイをするまで、私は彼に話す事ができないままだった。