「知ってるわ。

赤アゲハが桜龍と組んだって、噂になってたからね。

でね、今入った情報なんだけど、白狐と黒蝶がこの街に入ってきたらしいわ」


『一気に二つも??』


「つまり、手を組んでるかもねってこと」


『あぁ、なるほど…綾たちに相談してみるよ。情報サンキュ!!』


「お代はさっきもらったからいいわよ」


『へ?さっき??』


「桜龍のメンバーの顔、見せてもらったから♪」


『こんのイケメン好きめ(笑)』



笑って返事をすると、フジコちゃんが突然真剣な顔になった。



「ねぇ、ユウ…仲間っていいもんでしょ??」

『・・・・・・』


「ちゃんと信じて、頼ってあげなよ?」

『・・・。』


「自分一人で何とかできる、なんて悲しいじゃない」

『・・・・そう・・・だね。また来るよ、フジコちゃん』



へらっと笑って店を後にした。

フジコちゃんは、悲しそうな眼をして私の背中を見送っていた。



店の外では、千歳たちがじゃれあってて、側で希と綾が笑いながら見てる。




『仲間・・・か』







成り行きで桜龍に入ったけど、私はまだまだこいつらに言ってないこともあるし、たくさん嘘もついてる。



こんなんでも仲間って言えるのかな?

っていうか、仲間って何??



本音でぶつかり合うのが仲間?

一緒にいれば仲間?

おなじチームに入ってるだけでも仲間?




『・・・こんな私には、一生解けない問題だな』




目を閉じればよみがえる、あの絶望


仲間なんて、友達なんて、信用できる人なんて・・・

あの日、全て捨てたと思ってたのに、


また私は同じ過ちを繰り返すのだろうか




何度傷つけば信じることを止められるのか

何度自分の心を閉ざせばいいのか




光はとうに見失ったと思ってたのに




楽しそうに笑う桜龍たちをみやる

『裏で生きる私には、アイツらの光はちょっと眩しすぎ・・・かな??』