波琉は曖昧な答えをする俺に首を傾げながら 前に向き直った。 「変なやつ」 ボソッとそんな声が聞こえた。 前を向くと 担任が点呼を取っていた。 「本庄一樹。 …本庄はいねぇのか?」 一番前の空白の席は いつの間に抜け出したのか 一樹のかばんだけ放り投げてあって 肝心な本人の姿がなかった。