「そーだ、忘れてた!」

木村先輩が何かを思い出したように
廊下の方へ駆け寄った

「……?」

頭に?マークが浮かぶあたしたち

そんなあたしたちの耳に廊下から会話が聞こえる

「忘れるってどんなだよ…」

ため息混じりに
自分のことを忘れていた木村先輩を
あきれる声がする


…ありえないよ

知らずのうちに気がつけば
何度もそう心の中でつぶやいていた

聞こえたのはあたしのよく知ってる声

でもまさかって驚く気持ちと
ありえないって信じたくない気持ちが
混ざって胸が速くなる

だってここに、あたしのいる教室に
あのひとが来るはずないんだから

…うそだ