意識が薄れていく中で、
誰かが俺の手を握る感覚だけを感じて


安心して眠りについた。




俺は次のチャイムで目を覚ます。




さっき俺の手を握っていたのは




花本だった。




まだ握ったままの花本は、俺のベッドに上半身だけ伏せて寝ていた。




その寝顔があまりにも
愛しくて。



花本の柔らかい髪にそっと触れた。




ピクっと反応する花本が可愛い。




「あ、先生…もう大丈夫なの?」




心配そうに尋ねる花本。



「…もしかして…ずっと側に居た?」




俺は嬉しかったんだ。



そう聞く俺に、
花本はニコっと笑って




「うん。先生が心配だったの。」




今考えると、この時にはもうこいつに恋してたのかも。