「先生も風邪?顔赤いね。」



そう言った花本は


俺の額に手を当てた。



ドキンっ――――。



俺はこの鼓動の高鳴りを、風邪のせいだと思い込んだ。




「すごい熱っ!先生!早く休んで!」



花本は慣れない手つきで氷枕まで用意してくれた。



「…ありがとな。」



俺がそう言うと、花本は嬉しそうに笑った。