そして愛羅は今、海が飾り終えるのを待っているのだが…。中々終わらない。
(のろま…)
「ねえー、まだ?お客さん待たせてるんだよ?それでもプロ?」
海は、苦虫を噛み潰したような表情でさくらんぼを乗せた。
真面目にバイトをやってくれて助かるのだが(それでも、きまぐれで、眠そうで、接客はゼロ点)、余計なことを言う。
「はい、できました。責任持って運んでくださいね?さっきみたいに転ばないように」
にやり、と海は笑いながらパフェを差し出した。
それはつい先程のこと。
愛羅がコーヒーをおぼんで運んでいた。海は、どんな風に接客をしているのか気になり、覗いてみた。
