オーナーと由茄の考えていることは同じだった。
しかし、カメラを向けても眠そうな目をするか、無表情な愛羅が、微笑んでるように由茄は感じた。
それは、長年一緒にいるからわかること。
愛羅と由茄は、幼稚園からの親友である。
以前から、愛羅は笑わなかった。人を欺くように笑うことしか知らなかった。幼稚園のアルバムは、愛羅の笑う顔が見られる。しかし歳を重ねるごと、笑わなくなった。
「俺は、対象年齢なの。てか、俺は子供だと認められている」
「もうわかりましたから、早く自分でハンカチ持ってください」
そんな愛羅がーーー。
何かが変化しようとしているのかもしれない、由茄は瞬時に汲み取んだ。
