促すように言っても、愛羅はハンカチを見つめたままだった。
「はあ」ため息をつき、海はハンカチを愛羅の指に押し付けた。「痛くても我慢してくださいね」
「…イタイ。ガマンデキナイ」
「子供ですか!あなたは!」
「…みんな、最初は子供から始まるもの」
「はいはい。あなたは子供の対象年齢から外れてますから」
由茄とオーナーはじっとその様子を見つめていた。以前、海から小さな兄弟がいることは聞かされた。今、海は姉、いや母のような眼差しで愛羅を見ていた。
(母性本能…?年頃の女の子が抱く気持ちがそれって…)
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