もちろん、海は言った。「いつもより、周りにたくさんお花畑があります」
ポイントは「いつもより」だ。海には、いつも由茄の周りに色とりどりのお花畑が見える、ということだ。
「その表現…かわいいね」
いやいやいやいや、ユカくんの方が何十倍、いや何百倍も…。海は赤くなりながらも手を大げさにぶんぶん振る。
「そんな否定しなくてもいいのに。………今、俺めちゃくちゃ嬉しいんだ」由茄は遠くの空を見つめた。「アイラが自分で行動するようになったこと」
「…それは、同じバイト仲間としてはありがたいことです。いいですか、同じバイト仲間ってだけですからね?ユカくん」
