「アイラさん、手伝ってくださいよ」
「今忙しーの。見てわからない?」
「ええ。私には壁に寄りかかっているにしか見えないです」
愛羅が作業をしないものだから、時間が二倍かかる。
「目、悪」
「知ってますか、アイラさん。視力1.0の人は視力悪いとは言いません」
海ははしごの上から反論する。
「俺、こーしょきょーふしょーだから、はしご登れなーい」
「…ただ面倒なだけなくせに」
何言っても聞かないようなので、海は作業を開始する。
(これどうしよ…。うわっ、茶色と重なる!)
首をひねりながら悩む海。何より、デザインが大切なのだ。
