穴があくまでそれをずっと見つめる海。 (あんなの欲しいなんて…) 愛羅はのしのしと近づいた。 「何を見てる」 「飛行機」 「それはわかってる。それが欲しいのか」 そう聞くと、海は俯いた。ただ事ではなさそうだ…、人の心を読むのが疎い愛羅でさえ、わかった。 「私に兄弟がいるんです…。でも、母を亡くしてから貧乏になって。十分なおもちゃとかも買えない。だから…、ちょっと羨ましいかなって…思っただけ、です」 「…。へーえ…」 愛羅はわかったような気がした。海がめちゃくちゃ頑張る理由…。