凜が手持ちの武器類を取り出した。 「凜、さんは…銃、拳銃ですね。他には何かありますか?」 「俺は以上です」 凜が答える。 「俺はこれ」 言いながら彼方が手に持っていた木の棒を兵士にかざした。 一見木の棒にしか見えないそれを引き抜くと、確かに銀色に輝く刃が覗いた。 仕込み刀だ。 「了解しました」 兵士がにっこりと微笑む。 「わが国はいい所ですので、ごゆっくりしていらしてください」 「はい、ありがとうございます」 凜が答え、二人も城壁の中へと入っていった。