凜は背の高い青年だ。
背が高く、ひょろっとした青年だ。
白いワイシャツの上に黒いベストと細身のジャケットを重ね、手には濃い灰色のコートを持っている。
手荷物は大きなトランクだけだ。
短く黒い髪と、それと同様の色の瞳を持ち、整った顔立ちをしている。
対称に、彼方は背が低く、ぽちゃぽちゃとした体をしていた。
白いワイシャツの上に、藍色のパーカーを、それから更に凜と同じジャケットを羽織っていた。
紫色の大きなリュックを背負い、手には木の棒を持っている。
トラックは兵士との短い会話を終え、門の中へ入っていく。
二人も同じ兵士のところへ近付く。
「入国の許可をお願いします」
凜が言う。
「ええ、何か武器はお持ちですか」
兵士が人の良い笑顔で二人を歓迎した。
