やがて、森を抜けたトラックは草がまばらに生える大地を疾走した。
「見えてきた」
彼方が零す。
遠くに灰色の壁が見える。
「凜ー、見えてきたー」
車の走行音にかき消されないように、きっと壁が見えないであろう凜に大声で伝えた。
暗黙の了解。
しばらく茶色と点々とした緑とだけの景色が続いた。
そして、段々と壁が大きくなる。
壁は城壁だ。
中には広大な国が広がっているのであろう。
二人は膨大な荷物に躓きながらトラックの荷台を降りた。
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