「はじめまして!!おとなりの家に引っ越してきました!!」


前から後ろに突き抜けるような高く、澄みきった大きい声で俺の家の玄関で叫ぶ少女。

「あらあら、まだ竜樹(タツキ)と同じくらいなのに、しっかりしてるのね!
何歳なのかしら??」

俺の母さんがその少女の頭を撫でながら笑った。

「美羽(ミウ)はね、9さいなのですよ!」

少しおかしい日本語に、俺の母さんは微笑んで俺の方を見た。

「竜樹と同い年なのね♪
竜樹、自己紹介しなさい!」

母さんは俺の頭を軽く撫でた。

「しみず たつき…だよ。よろしく…」

俺はおどおどしながら美羽にお辞儀した。