「そういえばまだ名前訊いてなかったな?俺は岡崎巴。一様、高3だ」



「あたしは井上里香。17歳です。貴方風に言えば高2のはずです」



「はず?」



「高1の時に退学しました」



「…」



ちょっと変な空気が漂って来た…



「それより、巴だなんて女の子っぽいですね」



「人が気にしている事にずかずか入ってくるな…そっちだって言葉遣いがおかしいだろ!」



「それは…」



それっきり黙り込んでしまった…



何か言わなければ…



「それより、どうしてあたしなんかを助けたのですか?」



意外にも先に口を開いたのは女の子の方だった。



「あぁ~、それは、歌がよかったからかな。もっと言うと、歌を唄う…」



「唄う?」



「あぁ~いや、何て呼べばいい?」



俺はまだ何て呼んだらいいかわからなかった。



「里香で結構です」



「サンキュー、えぇ~とそれで、歌を唄う里香があいつらに汚されるのかなぁ~って考えたらイラってした。それだけ」



「…」



「な、なんだよ」



急に黙られるとこっちが恥ずかしくなる。



「やっぱり…」



「やっぱり?」



「キザですね…」



「はあ~!?」