愛しのマイ☆ドクター

『たいへん・・・だったんだね・・・』



話をしていたのは

ほとんど美羽だったのに

僕の喉はカラカラに渇いていた



『で それから

遠い町に引っ越して

お母さんは働き始めたんだけど

今までの苦労が一気に出ちゃったのか

病気になっちゃって入院しちゃったの』



『・・・』



『そんなときにね 今の事務所が

オーディションやってるってテレビで観たの』



『それに受かったら

賞金も出るって言ってたから

すぐに応募したの

学校にあったパソコンから』



『美羽のお母さんね

昔は歌手を目指してたんだって』



『遺伝なのかなあ

美羽も歌が好きで結構うまいんだよ

音楽の成績もずっとよかったし』



『だから

オーディションでは

思いっきり好きな曲を歌った

そしたら

優勝はできなかったけど

今の社長さんがうちにこないかって

言ってくれたの』