愛しのマイ☆ドクター

準備を万全にして

美羽の病室へ戻った



彼女は久しぶりに病院の朝食を全部平らげて

マネージャーさんが持参した衣装に着替え

メイクも終わらせていた



赤と黒を基調にした制服っぽいその衣装は

美羽にとてもよく似合っていて

いかにもアイドルっぽかった



少し痩せた印象を与えてしまうのはしょうがないけど

それでもそのとき僕の目の前にいたのは

今をときめく国民的アイドル咲原美羽だった



その美羽を見て僕の心臓はまた

どきどきし始めたけど

なんとか普段と同じトーンで

美羽に声をかけた



『用意はできた?』



『うん ばっちり』



美羽の声には張りが戻っていた



彼女はマネージャーさんと社長さんに

支えながらもしっかりと

自分の足で歩き出した



玄関まで来ると多くの報道陣と

ファンの人達が待っていて

いっせいにフラッシュがたかれると同時に

美羽に声をかけた




『美羽ちゃん 大丈夫ですかー?』



『美羽ちゃん 一言お願いしますっ』



『美羽ちゃん 頑張ってー』



『美羽ちゃん 病気に負けるなー』



『美羽ちゃん 応援してるよー』




美羽は院長先生が今日のために臨時で雇ってくれた

数人のガードマンに守られながら

マスコミとファンに笑顔で手を振り

社長さん、マネージャーさんと一緒に

事務所の車に乗り込んだ



僕と岡崎さんはその後ろに待機していた

救急車に乗り込んだ





(レコーディングの日程は公表していなかったはずだけど

みんなどこからか情報を得てきているんだな)



(それもこれも咲原美羽だからか・・・・)



僕は改めてその人気の凄さを実感していた