ふぅ、 先輩はふいにため息をつくと 私を振り返った。 漆黒の瞳にまっすぐに見つめられて 思わずドキッとする。 「悪かったな、日野、 こいつはいつもこんな調子だから気にしないでくれ。 じゃ、 俺帰るから、 明日頑張れ」 淡々とそう言うと、 先輩は芹沢さんの襟足を掴んで 引きずるようにしてドアを開けて出て行く。 「あ~ぁ、 ここまでかぁ、残念。 遥香ちゃーん。 またね~~」 引きずられていく芹沢さんは 子供みたいに唇をとがらせながらも 私ににこやかな笑顔を見せて手を振っていた。(^^)ノ