なんか
映画のワンシーン
みたいだな
整った横顔
「桜の妖精
みたい」
雰囲気にのまれた俺は
つい思った言葉を
ぽつりと口にしてしまった
は!!
何言ってんだ俺は!!
てか、聞こえてないよな!!?
勝手な希望をよそに
振り返る彼女
ひっそりと浮かぶ笑み
「馬鹿ね
桜の精は、オトコなのよ」
呟いて
歩き去る
見送ることしかできない俺
桜の雪が
揺れる髪を縫って
するりと
流れ落ちていった時
俺の不器用な片想いが
始まってしまったのを
感じていた……
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