「将吾~」


甘い声が後ろから
聞こえてきた。
知らない声。
でも聞き慣れていた。


「おう、梨々夏(リリカ)」

「学校終わったの~?
 あれ、彼女さん?
 始めまして~あたし
 将吾のお友達でぇす。
 つってね~」

「はははっ、
 そうゆう事べつに
 言わなくていいだろ」


将吾はそう言ったけど
笑い飛ばしていた。

慣れていた。
将吾には沢山女友達が
いることなんて。


「これから遊ぶんだけど
 彼女さんいるし
 無理だよね~?」






「行けば?」


私のその一言を待つように
将吾は即答で
『ありがとう』と言った。

遠ざかる将吾と女の後ろ姿

引き止める理由はない。
自分の気持ちに気付いてた
でも否定し続けている


冷めていく自分の気持ち