「―――っ…痛い」
「好きな奴できたのかよ」
「違う」
また一つ、
痣 傷 生々しい血
「やべえってあれ」
「瑠実が可哀相」
「誰か止めろよ」
そんな声は聞こえるが
将吾を止めようとする
勇気のある奴はいない。
「おい、立てよ」
胸倉を掴まれて
これがカップルだとは
思えないような
そんな喧嘩をしていた。
「違うって言ってんじゃん」
「てめぇの事なんか
信用できねえんだよ」
「いつあたしは将吾を
裏切ったりした?」
将吾の答えがつまれば
はぐらかすように
あたしを殴った。
「やめろよ―――――。」
