ダンッ…ダンッ

広い体育館にリズムよくボールをつく音が響く。

「やっぱあの子じゃない?

あの…なんだっけ?

ショートカットのすばしっこい子」



シュートを決めながら

姫花が言った。




「茜?」



床に座り込み

なにやらノートにコートを書いて

戦略を練っている華恋が答えた。




「そうそう、

やる気もあるし…」



話しながらも見えない敵を華麗にかわして

またシュートを決めた。



「やっぱり?

じゃあ宮ちゃんに推薦しとくよ…」




「はいよっ」



こんどは反対のゴールまで走り
一瞬フェイントをしたあと
またボールを放った。


放たれたボールは操っているかのようにゴールに吸い込まれる。





スパッ


「よっしゃっ!」