あれから何分経っただろうか。 あの彼は明治の文豪コーナーで1冊の本を手に取り見ていた。 (初の利用者さんだぁ…!嬉しいなぁ。…あれ?なんかキョロキョロしてる。) 彼は何かを探すように辺りを見回している。 (わわッ…!こっち来た…。) 「委員の人、知らない?借りたいんだけど。」 「あ…、私、です…。」 「え?」 (男子と喋る事ないから緊張するよ…。) 「私、図書委員、です…。」 「あぁ、じゃあお願い。」 .