「まつ、もとくん…またお母さん来ちゃうよ…?」
「流石に空気読むだろ」
「で、でも…、」
「少し黙って」
「まつも、んんっ…!」
往生際悪く、まだ喋ろうとすると言葉ごと吸い込まれるように唇を重ねてきた。
必死にもがこうとしても腰に手を回され、後頭部もしっかり押さえられて身動きが取れない。
「んん……っ、ふ…ん…」
(もぅ、だめ…)
制服を掴み、限界を伝えるとそれに気付いた松本君がやっと唇を離してくれた。
「ちゃんと鼻で息しろって」
「む、ムリだよ…」
(こんなにドキドキして、普通に息なんてできない…)
「じゃあ、これなら?」
そう言うと、私の唇に1秒くらいのキスをしてきた。
「長いの無理なら短いやつ何回もすれば大丈夫っしょ」
「ぇ…?!んっ、」
「これなら息出来るだろ?」
松本君は私の答えを聞かずに、とてもゆっくりと何回も啄ばむようなキスを繰り返した。

