「痛いッ…。やっ…!」 痛みと恐怖とで、私の目からは涙が溢れ出てきた。 「てめぇ!離せよ!!」 いつの間にか松本君は私と西島君の間に入り、私の手首を掴む西島君の腕をグッと掴んでいた。 「ってぇよ!…分かった!分かったよ。…ホラ、離したから。」 そう言い、西島君は手を離し、両手をバンザイするみたいに上げた。 「…もういい。行け。」 松本君は顎を振り指示した。 「わかったよ…。」 小さな声でそう言い残し、西島君は走ってどこかに行ってしまった。 .