ずっとずっと、胸に閉まっていた気持ち。あたしの冬真への気持ち。
いつも馬鹿やって、ふざけあって、ケンカしてさ。夫婦漫才とか言われて、いやいや言いながらも、実際あたしは嬉しくて。そんな関係を壊したくなくて。
友達以上なんてなれない気がして。冬真の隣にはいつもあたしがいて。もし告白なんかしてダメだったら、もうその場所には戻れない気がして。
結局のところ、あたしはただの意気地無しだ。冬真に一番近いのは自分だなんて調子に乗っていた。このままでいいなんて思って、三年間何もせずに冬真の隣にいた。
馬鹿じゃん。卒業しちゃったら冬真とは別々の高校。なにいい気になっていたんだろう。
「冬真ってさー、城南行くんだよね?」
信じられなくて、分かりきったことを聞く自分にも嫌気がさす。
「ん?ああ、そうだな。城南でサッカーやりたいし。推薦でいけるし」
サッカー……。もう放課後のグラウンドで走り回る冬真を見ることも、できないのかな。
「春花は陽成だろ?頭いーもんな」
「別に、家から近かっただけだよ」
冬真のいく高校とはすごく遠いけど。

