CHERRY BLOSSOM



涙腺が、崩壊しちゃうじゃん。


…バカ冬真。


「……っ、ふぇ」


「俺だって、違う学校とか不安だっつの」


冬真は背中に手を回して、あたしの肩に顎を乗せて耳元でボソッと呟いた。


「俺、ヤキモチ妬きだし、束縛するし」


「へ、そっ…そうなの?」

「そうなの!今まで、他の男が寄り付かないように、俺がずっと見張ってたの!」


冬真はそう吐き捨てると、苦しいくらいにあたしを抱きしめた。


耳にかかる吐息が、すごく熱い。


「俺、こんなだけど…それでも付き合ってくれる…?」


弱々しい冬真の声に、何故か自然に笑みがこぼれた。そんなの、あたしだって同じなのに。


「…うん」


あたしも冬真の背中にそっと腕を回して呟いた。


もう、雪なんか冷たくない。


「…ほんとに?」


「ほんとに」


肩を少し離して、あたしの顔を覗く冬真に小さく笑う。


「じゃーキスしていい?」

「……うん」


そっと、目を閉じれば熱い唇が重なって。雪と一緒にあたしを溶かしていく。