CHERRY BLOSSOM



だって、好きだから。


冬真のこと好きでたまらないから、ちょっと離れただけで不安になる。


きっと今まで以上に可愛くないことだって言ってしまいそうで。そんなの嫌で。


嫌われたくないから。だからこの卒業式で終わりにしようと思ってた。


でも、本当はそんなの望んでない。


あたしの本当の望みは。


「あたしだって、冬真とずっと一緒にいたいよ…!だって大好きだから!」


離れたって、冬真が好きな気持ちは変わらない。そう簡単にはふっ切れないよ。


「でもこわいんだもん…!冬真と違う学校で、冬真と違う三年間を過ごすことが」



やっと素直になった心は、とても弱くて。あたしは顔をぐしゃぐしゃに歪めて泣いた。



「……っ、お前バッカじゃねーの!?」


「なっ、なによぉ…!」


泣きながら怒っても、とても様にはならない。それどころか視界も滲んで力も入らなくて、体がよろけてしまいそうになる。


「別に違う学校だって一緒の時間は過ごせるだろ!離れてたって、不安になったって、俺はお前と一緒にいたいんだよ!」


倒れそうな体ごと引き寄せられて、抱きしめられれば眩暈がする。