CHERRY BLOSSOM



「…………。」


「…………。」


と、とりあえずお互いの気持ちが確認できたのはいいんだけど…。


さっきから無言のまま、手を繋いで遊歩道を歩いてる。


指先から伝わる冬真の熱。すごい熱い。てゆうか、あたしも。体中が熱を発散してる。


このあたしが寒くないなんて、まじで奇跡なんだけど。


……どうでもいいけど、この沈黙いつまで続くの。あたしも冬真も。いつもうるさいくらい喋ってるくせに。


一度タイミング逃すと、ね。やっぱりタイミングって大事だなってしみじみ思う。


だって、あたし本当に冬真とすれ違ってばっかりだった。


聞けば、冬真も三年間あたしのことが好きだったみたい。


じゃあ早く言ってよ!…なんて言えない。だってそれはあたしも同じだから。


でも、もう少し早く思いが通じてたら、あたしは絶対冬真と同じ高校受験してた。


ちょっとレベルは下がるけど、一般もあったし。そしたらまた三年間一緒だったのに。


なんて今更遅いけどさ…。

そして、ふて腐れるあたしの鼻にピトリと冷たいものが落ちてきた。


「冷たっ」


なに…?


もしかして、雪…?