CHERRY BLOSSOM



何度携帯を開いても、それきり冬真からの連絡は何もなくて。馬鹿だ。自分から無視っといて、いざ何もこなくなったらこんなにも気になるなんて。もう、ふっ切らなきゃいけないのに。


カレンダーを見てため息が出る。ついに、今日が卒業式なのだ。夜もあまり眠れなくて、朝早くから用意を始めたあたしは、すっかり準備万端だった。


まだ時間あるし、髪とかもっとちゃんとしようかな。せめて最後は可愛い姿で…。ってやっぱりあたしはまた冬真のことばっかり考えてる。そうだよ。三年間、冬真のことばっかり考えてたのに、いきなり明日からぷっつり切るなんてできるのかな。


分かんない。こんなに考えるならなんで冬真と同じ高校受験しなかったんだろ。って無理に決まってる。城南ってバリバリのスポーツ校だし。冬真だってサッカーのスポーツ推薦で受かったんだし。てゆうか、なんの目的もなくただ冬真を追いかけていくことに抵抗があったんだよな。もうそれってばっちり冬真が好きって言っちゃってるようなもんだし。…つまり、意地を張ってただけかもしれない。今になって思う。