CHERRY BLOSSOM



「どーせなら卒業式には桜の中で告白とかされたいなー」


告白、その単語に肩が震えた。もし、もしその卒業式に告白するのがあたしだったらどうするんだろう。これからも、冬真の隣にいられるのかな。でも、もしダメだったら…。


「なーんてな、そこまで望んじゃいねーよ。高校いったら可愛い子いっぱいいるだろうし」


冬真は笑いながらあたしの背中をバンバン叩くけど、こればっかり禁止ワードだよ。なんて返していいか分かんない。

そうか、冬真にとったら卒業は終わりじゃない。新しい始まりへの通過点でしかない。固執してたのはあたしだけで、冬真はとっくに遠くを見つめてた。

つまり、あたしのことだってただの通過点で、久しぶりに同窓会とかで会ってあの頃は二人で馬鹿やったなーとか懐かしむ存在で。

結局は、冬真とあたしの道はここで別れるんだ。冬真の未来にあたしはいない。

潮風が、目に染みる。


「ってか、桜が咲いたらさぁ…」


ごめん、冬真。これ以上一緒にはいられない。


「……帰る」

「は?」

「ばいばい、冬真。お別れだね」