「ねぇ、崎山ちゃん」 冷たくなった部屋の空気を断ち切るような、奈々の声。 崎山と呼ばれた子は先ほどから一度も喋ってない、言わば壁の花と化している子だ。 つまり根暗。 いじめられっ子と分類される類の子。 「奈々、喉渇いちゃった。ジュース奢ってくんない?お金ないんだよねぇ」 再び空気が乾きだす。 効きすぎたエアコンの稼働音がやけに耳障りだ。 「えッ…でも…」 「じゃあウチも!みんなもそうしようよ。崎山の奢りだって」