モノクロの世界に一瞬だけ色がついた気がした。 自然…… 「あ、でも自然にウザそうなのは良くねーな。自然に笑え」 なんだ、それ。 仮面が音を立てて崩れるのを感じる。 「―――余計な御世話だ。ばーかっ!!」 元から自然に天使の微笑み浮かべとるわ。 目が節穴なのはあまりよろしくない。 「ごめん、待たせて…って。美玲ちゃん?」 そこへ、何も知らない優斗君が現れる。 あたしは改めて仮面をつけ直し、ニコッと笑って見せた。