だけど、そこで気付く。 声、出るかな…? 「……あ…」 『もしもぉし?』 お願いだから切らないでよ。 「…ゆ…り…っ優里…!」 ただならぬ状況を察したのか、 どたばたと走る音が聞こえる。 勢いよく扉が開き、彼女は姿を現す。 ふわふわの髪、整った童顔。 「…ゆ…う…」 あたしの意識はそこで途切れた。