その門を前にして、あたしの足はまた言うことを利かなくなった。 「ここー?」 悪魔はあたしを気にも留めず、 その家を見つめる。 「…ふ~ん…なんか金持ちそうな家だねぇ… どうでもいいけど。んじゃ、ありがとねー」 遠ざかるその背中を見つめながら、 あたしは何もすることができない。 歩くことも、その背を追いかけることも、 立ち上がることさえできない。 悪魔の言う、虫けら以下。 人間にもなれない。 虫にもなれない。