コートを羽織って外に出る。 生活に最低限必要な物をバッグに詰めて あたしは走り出した。 今あたしが頼れるのはあの人しかいない。 ―――優里。 壊れたあたしを救えるのはあの人しかいないんだ。 『助けて』 優里に初めて会ったあの日、 あたしは涙ながらにそう言った。 あの人は笑って 『大丈夫ですよぉ。私がいますからねぇ』 って言ってくれた。 あたしは優里に何度救われてるんだろう…。 雨の中、傘もささずに走り続ける。 肺が焼きつけるように痛む。