悪魔? or 天使?(上)





コートを羽織って外に出る。




生活に最低限必要な物をバッグに詰めて

あたしは走り出した。




今あたしが頼れるのはあの人しかいない。




―――優里。




壊れたあたしを救えるのはあの人しかいないんだ。




『助けて』




優里に初めて会ったあの日、

あたしは涙ながらにそう言った。




あの人は笑って


『大丈夫ですよぉ。私がいますからねぇ』


って言ってくれた。




あたしは優里に何度救われてるんだろう…。




雨の中、傘もささずに走り続ける。



肺が焼きつけるように痛む。