悪魔? or 天使?(上)





優斗君は名残惜しそうにあたしの方を見ていたけど、

すぐに振り向いて帰って行った。




……黒崎にも感謝しなきゃなぁ……




あたしは扉を閉めて、リビングに向かった。



電話を取り、番号を押す。





『…はい』



しばらくしてしゃがれた老婆の声が出た。




「もしもし。美玲です」




あたしの声を聞いて、老婆が息を呑んだのがわかった。




『…今さら何の用です…?もう家とはなんの関係もないはずですよ』




「突然すいません。ただ、一つお聞きしたいことがあって」




「…いいでしょう。早くしてください。

こちらも忙しいんです」