「お前さ、何でそんな笑い方すんだよ。楽しくないんだろ?見てるこっちまで気分悪ぃよ」 思わず唖然としてしまう。 一瞬、時が止まった気がした。 「さっきだってカラオケに誘われた時。すっげぇめんどくさそうな顔してた。あの女は気付いてないみたいだったけどよ」 色褪せた視界が、モザイクの掛かった砂嵐のようにぼやけていく。 「そんなこと……」 「ホントか?」 黒崎の目は揺らがない。