「…よし!」 生まれて初めて前向きに、 意気込みを表す抽象的な言葉を口にした……気がする。 「…普通、こういう展開だと行く先が雲ひとつなく晴れてるものだろうに」 空は生憎の曇天。 曇天の道を、あたしは導(しるべ)もなしに歩き始める。 雨に怯えるように歩くこともできるけど、あたしはやっと生まれ変われたんだからさ。 もっと明るく生きてみようか。 さぁ、前を向こう。 下を見失って何度転んでもいいよ。 また歩き出すことはできるはずだから。 なんてね。