しばらくして優里が帰ってくる。 その顔は心なしかトロンとしていて、 上気しているようだった。 「…腑抜けた顔…」 あたしがそう言っても何も反応しない。 「ねぇ、何やってたの?」 そこでやっと気がついたのか、 口元を引きしめなおしあたしに向き直った。 「私、結婚します!!」 「はぁ?」 「今彼に電話してプロポーズしましたぁ! 美玲ちゃんのおかげですぅ。やっと勇気が出せましたぁ」 どうやらこいつ、本気でアホらしい。