「別に、ただ校長室を教えてもらったってだけだよ。 だから心配しなくても先生が言ったような関係じゃないから」 「そ、そうなんだぁ…」 その子は明らかに安堵した様子で周りの子たちと頷きあう。 そして結論が出たのか、さっきの地味子とは違う少女が出てきた。 「ねぇ、朝倉ちゃんさ。ウチらのグループ来ない?」 「いいの?ありがと」 癖のせいで弛緩した頬を吊り上げて笑う。 成功したらしい。 そんなあたしの様子を、まさかアイツが見ているなんて思いもしなかった。