あたしは零れ落ちるそれを必死で拭いながらも、ある想いに耽っていた。 それはさっきの優斗君の言葉。 『僕なんかよりよっぽど綺麗だ』 他意はないのだろうけど、やけに引っかかる。 そんなことを考えていたら、ふいに目の前が暗くなった。 「……」 優斗君があたしを抱きしめたのだ。 「ゆぅ…と君…」 「僕じゃ…だめかな…?」 「え?」 あたしは思わず顔を上げる。 「……っ!」 そこで唇が重なった――。