なんかうまく誤魔化された気がする。
「ねぇ美玲ちゃん。
それ、僕にも一口頂戴?」
「いいよ」
優斗君が指さしたのは、あたしがケーキバイキングで今さっき持ってきたチョコケーキ。
ずいっとケーキの乗った皿を差し出す。
すると、優斗君は苦笑して言った。
「美玲ちゃん、そこは食べさせてよ」
「え?」
あたしが尚もポカンとしていると、
優斗君は『あ』と口を開いた。
…そういうことね。
あたしはそこにフォークを差し込む。
それをとても嬉しそうに食べると、破顔一笑。
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