あたしに気付いた母は、 急いであたしの目を覆った。 そうでもしてくれないと気が狂いそうだ。 それから母は遺体を家の地下室に運んで鍵を閉めた。 そしてあたしに言った。 『このことはママと美玲の秘密よ。 お姉ちゃんにも、お友達にも秘密。わかった?』 あたしは素直にうなずいた。 だって嬉しかったから。 “あの人とあたしだけの秘密”。 あたしをやっと信頼してくれた。 やっと…やっと… これであたしは幸せになれるかもしれない。 そう思った矢先だった。