「うん。 まぁ、そのとおりなんだけどさ」 「うぅ…… それは喜んでいいんでしょうかぁ…?」 優里が電話の向こうで悲しげに目尻を下げている様子がありありと目に浮かぶ。 「ちょっと優里の小話でも耳に入れたいなぁって」 「そういうことですかぁ。 ならここで一つ、心がホッとするココアのようなお話でも」 「よっ、待ってましたー」 つーか本当にココア好きだな。 あたしはそこまで一つの物に執着できないからなぁ……。