悪魔? or 天使?(上)





「じゃあ、ちゃんと寝てろよ」



黒崎はあたしの頭をなでてから、

ドアに向かって歩きだした。



「…っ」



「?」



気がつくと、あたしは黒崎のシャツの裾をつかんでいた。



「あっ…」



あたしはパッと手を離す。



黒崎は黙ってあたしをしばらく見下ろし、

静かにベッドに腰を下ろした。



「寝るまでここにいてやるから。早く寝ろ」



「…うん」



その言葉を最後に、あたしはスゥッと眠りに落ちて行った。