「じゃあ、ちゃんと寝てろよ」 黒崎はあたしの頭をなでてから、 ドアに向かって歩きだした。 「…っ」 「?」 気がつくと、あたしは黒崎のシャツの裾をつかんでいた。 「あっ…」 あたしはパッと手を離す。 黒崎は黙ってあたしをしばらく見下ろし、 静かにベッドに腰を下ろした。 「寝るまでここにいてやるから。早く寝ろ」 「…うん」 その言葉を最後に、あたしはスゥッと眠りに落ちて行った。