「龍君だって。良かったね、黒崎。 あんたのこと好きになってくれる人がいて」 「余計な御世話だ、バカ」 黒崎が、ベッと舌を見せる。 うむ。いちいちむかつくね。 これは優里以来かも。 あの天然野郎、ムカつくコト山の如しだからね。 「で、何?俺に用?」 「あ、あの…ッ」 奈々はしばらく狼狽えて、 パッと下を向いてしまった。 「はぁ…、あんたさぁ…」 あたしの声に、奈々はキッと鋭く睨みつける。 小さい犬ほど良く吠えるって言うし。 あれ?弱い犬だっけ? どっちでもいいや。どっちもあてはまるし。