* * * 「―――本校は基本的に自由な校風です。しかし、だからと言って節度は守ってもらわないといけません」 「…はい…」 遅刻のせいで転入初日から説教。 ま、あたしのせいでもある。 「まぁまぁ、校長先生。 転入生ということもあって迷子になってしまったんでしょう。彼女ばかり叱っては可哀想です」 隣に立って傍観していた女性が取ってつけたような弁解を並べる。 横目で一瞥すると、その人はにっこりと笑った。